読みつつお酒を飲みたくなる本
梅雨だ。雨だ。出不精だ。
秋に次いで、読書に向く季節である。
そこで今日は、読んでいたら飲みたくなる、また、飲んでいたら読みたくなる本を3つ紹介しようと思う。
1作目
「カキフライが無いなら来なかった」
五七五の形式を破り、自由な韻律で詠む自由律俳句を妄想文学の鬼才せきしろと、お笑いの奇才「ピース」又吉が編み出す。
又吉直樹 「まだ眠れる可能性を探している朝」
せきしろ 「喧嘩しながら二人乗りしている」
又吉直樹 「転んだ彼女を見て少し嫌いになる」
センチメンタル過剰で自意識異常な世界が広がっている。
一般によく食べられるマガキの旬は冬であるが、より希少価値の高い岩牡蠣の旬は夏なんだそうな。嗚呼、ハイボールで牡蠣飯を食いたい。でもビールでカキフライ、たっぷりのタルタルソースが、もっと食いたい。
2作目
「居酒屋へ行こう」
著:太田 和彦
ーいい酒、いい人、いい肴
三拍子揃えば、至福のひとときが訪れる。
居酒屋にぶらりと入りたいが、気後れしてしまう人のために書かれた本。
ー「一杯飲むか」「いいね」「どこかいいとこある?」「・・ちょっとな」
と入ってゆくのは格好いいものです。そして、
「〇〇さんいらっしゃい、今日はヒラメがいいっすよ」
と主人に声をかけられるのも。
(本書より)
3作目
「レバ刺しの丸かじり」
著:東海林さだお
ー16「とナルト、ナルトは」
ー52「納豆ジャニーズ論」
ー100「立ち上がれ、味噌汁!」
−136「雪見酒の法則」
ー142「カスマの立場」
ー214「柿ピーを排す」
どうです、なんとも食欲をそそる目次ではありませんか。
美味しい店は、品書きを見ればわかると云いますが、
面白い本は、目次を見ればわかるのです。
雨が嫌いなわけじゃ無い。
気持ちが愉しくなるように傘と長靴を同じ色で揃えて買って見たり。
紫陽花の色の違いを見て、心の余裕を感じたり。
雨音を聞きながら、子供の頃の、時間に追われていなかった記憶に浸ったり。
そういうのもいいもんだ。
でもいつでもそうロマンチックにもいられない。
そんな時は、少しざわっとした居酒屋の片隅で、ビール片手に読書なんて、とってもヨイ。ヨイヨイ。酔いが回るのも早くなるけど、まあヨイヨイ。